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メタボリックタイプによって栄養素の必要量・食べる(飲む)時間が違う 2008/5/26

骨粗鬆症や骨軟化症ではカルシウムを、コレステロールが高い場合や血液循環を促進させるためにはビタミンB3(ナイアシン)とビタミンB6(ピリドキシン)を処方する。これは現代医療でも一般的に行われている選択肢の1つである。もちろん患者の血液や尿を用いた検査結果を参考にしながらであることは言うまでもない。しかし、人間にはメタボリック(代謝)のタイプがあり、1人1人そのタイプが異なるために、栄養素を用いた栄養療法でさえも、その人間のメタボリックタイプを考慮したアプローチをするべきであり、それによって改善の効率は格段に良くなる、こう説明するのは「メタボリックと栄養素」でも著名なDr.Roger J.Williamsである。

Dr.Williamsらの研究グループはメタボリックのタイプを細胞内におけるエネルギーの変換効率で分類し、栄養素を摂取してからエネルギーへの変換が早いタイプを「Fast Oxidizer」、遅いタイプを「Slow Oxidizer」、その中間を「Mixed OxidizerまたはBallanced Oxidizer」、これに交感神経優位のタイプ、副交感神経優位のタイプを加えて複合的にメタボリックタイプを3つに分類している。

分かりやすい言い方をすると・・

1、タンパク質タイプ:Fast Oxidizerまたは副交感神経優位のタイプ

このタイプは高タンパク質、高脂肪、高プリン体摂取が基本にあり炭水化物の摂取は低い

2、炭水化物タイプ:Slow Oxidizerまたは交感神経優位のタイプ

このタイプは高炭水化物、低タンパク質、低脂肪摂取が基本にある

3、ミックスタイプ:Fast Oxidizer・Slow Oxidizerまたは交感神経優位・副交感神経優位の混在タイプ

このタイプはタンパク質タイプ・炭水化物タイプの両者が混在

メタボリック(代謝)の仕方が異なるということは、血液や尿の検査によって栄養素の過不足を判断し、一律に栄養素を与えても、効果の程には差がでるということになる。

セレニウムの摂取が2型糖尿病のリスクを高める?? 調査内容に疑問あり! 2007/8/29

2007年8月21日付けの米国Annals of Internal Medicineで、セレニウムの長期服用が2型糖尿病のリスクを招くという発表がされたが、報告内容を十分に見るとこの報告内容には疑問の余地がないわけではない。

同誌に掲載発表された「Effects of Long-Term Selenium Supplementation on the Incidence of Type 2 Diabetes」は、1996年にClark LCらがJAMAでセレニウムの服用が皮膚がんの予防に有効であることを発表した「Effects of selenium supplementation for cancer prevention in patients with carcinoma of the skin」の研究でボランティアとして参加した1312名(平均年齢63歳)における追跡調査をベースとするレトロスペクティブな調査である。

1996年にClark LCらがJAMAで報告した研究内容では、皮膚の扁平上皮細胞癌を持つ1312名に1日あたり200μgの酵母セレニウムを4.5年間服用させたものだ。

プラセボグループとの比較を見ると、セレンを投与されたグループが皮膚がんに対しては何ら影響を及ぼす結果ではなかったが、がんによる死亡率は50%低下し、発生率では肺がんが46%、大腸がんが58%、前立腺がんが63%それぞれ低下しており、他のセレンとがんに関する研究報告の数値をほぼ一致している。

今回Stranges SらがAnnals of Internal Medicineで発表した報告は、数年にわたる長期間、1日あたり200μg以上のセレニウムを服用することで2型糖尿病のリスクが高くなるというものだ。

Stranges SらはClark LCらが1312名に行った研究に参加したボランティアのうち、2型糖尿病歴を持たない1202名に、その後7.7年間1日あたり200μgの酵母セレニウムを継続服用させた結果、50%近く2型糖尿病になるリスクが増したと報告しているが、この調査内容と結果をもってセレニウムが2型糖尿病リスクを高めると断定するのは尚早のように思える。

そもそも、この調査事態が1996年にClark LCらがデザインした研究をベースにしたレトロスペクティブなものであり、元来2型糖尿病の発生率を調査するようにデザインされたものではないということだ。

調査内容を詳細に見ると調査期間の7.7年間でセレニウムを継続し、かつ2型糖尿病を発症したのは全体の9.7%で、セレニウムを服用しなかったプラセボグループでは6.5%が2型糖尿病を発症している。この調査はあくまでも「仮説」から発生したものであり、元来、セレニウムの生み出す副作用的な仮説ではなく、結果に基づく仮説検証であって、統計学的な有意性を考えた場合には妥当な立証にはなり難いと言えるのではないか。

2つめの疑問はStranges SらとClark LCらが使用したセレニウムの素材にある。

彼らの研究調査で使用しているセレニウムは「酵母由来のセレニウム」である。酵母にはセレニウムが含まれていることは勿論だが、インスリンに影響を与えるミネラルの1つであるクロミウムなどのマクロミネラルが含まれてもいる。

特にクロミウムは動物・人間の数々の研究によってグルコース耐性因子であることがわかっており、インスリンの機能に対する影響があるにもかかわらず、この研究ではこの点に触れられていないだけでなく、何故酵母セレニウムを使用したのかにも触れられていない。

3つ目の疑問はプレセボグループに投与した「酵母イースト」である。なぜ、プラセボグループに「酵母イースト」を服用させたのかが不可解である。この研究報告の中ではその理由が明確になっていないだけでなく、この「酵母イースト」にセレニウムほか、マクロミネラルが含有されていなかったかどうかについても触れられていない。

結果としてこの研究調査報告には、セレニウムの長期投与が2型糖尿病のリスクを増大させるという帰結にいたるには根拠不足であるように思われる。

セレニウムについては、その毒性についても未だ研究が続けられていることも事実であるが、現在までの動物および人間による臨床研究の報告を見る限りでは、適切な摂取量を厳守した場合のメリットのほうが多いと考える。

参考文献

Clark LC, Combs GF, Turnbull BW, et al. Effects of selenium supplementation for cancer prevention in patients with carcinoma of the skin. JAMA 1996;276:1957-63.

Stranges S, Marshall JR, Natrajan R, et al. Effects of long-term selenium supplementation on the incidence of type 2 diabetes: a randomized trial. Ann Intern Med 2007; 147:217-23.

Held DD, Gonzalez-Vergara E, Goff HM. Isolation of a non-chromium insulin-enhancing factor from brewer’s yeast. Fed Proc 1984;43:472.

Hofbauer LC, Spitzweg C, Magerstadt RA, Heufelder AE, Selenium-induced thyroid dysfunction. Postgrad Med J 1997;73:103-104

Dr.ライトからの手紙−風邪とCOLD-Fx  2007/5/15
「風邪やインフルエンザを治すいちばんいい方法は?」とよく訊ねられる。 Dr.ライトはこう答えている。 「どれがいちばんとは言えませんが、効果が確かなオールスター的な治療法はいくつもあります」
このオールスターリストに、今年の風邪とインフルエンザに向けて新たな薬を追加しようと思っている。 COLD-fXというカナダでトップセールスを誇る風邪・インフルエンザ予防治療薬で、カナダでは医師の処方箋がなくても購入できる。 カナダでCOLD-fXを常用しているプロのアスリートたちはかなりの割合を占め、事実、2006年8月には、「アイスホッケーリーグおよびアイスホッケーリーグ選手協会の風邪・インフルエンザ公認治療薬」の銘を受けた。
それほどカナダで認知されているCOLD-fXだが、米国でこの薬を知る人はほとんどいないのではないだろうか。 カナダでは1990年代から販売されてきたにもかかわらずこの薬が米国にないのは行政上の理由から輸入できなかったことにある。 だが長年の手続きもようやく終わり、米国でもCOLD-fXを入手できる運びとなった。(これでわれわれ米国民も隣国民とおなじ恩恵を授かることができるようになると、私は確信している。)


COLD-fXの効果を証明する臨床研究はいくつもあるが、詳細に入る前に、私と妻の友人でありCOLD-fXの開発者であるPeter K.T. Pang,Ph.Dについて触れておきたい。

Dr.Pangはいわゆる変わり種だ。 イエール大学で博士号を取得した科学者で、エドモントンのアルバータ大学で生理学科の教授と学科長を務めた。 西洋仕込みのDr.Pangだが、同僚たちとは異して、ハーブが現代医療のひとつとして十分に貢献できることを認めていた。 そして最終的に、人類が何千年も頼りにしてきた治療法が有効であることを論理づけてしまったのである。
だがそんなDr.Pangにもある懸念があった。 自然食品店の棚にはハーブ製品がずらりと並んでいるものの、その質や効果を消費者が知る術がないのだ。そこで奮起したDr.PangはJacqueline Shan,Ph.Dや研究チームとともに高品質のハーブ製品を確実に製造できる方法の特許を取得すべく開発にのりだした。 後に、Dr.PangとDr.Shanはその方法を採用してくれる会社の設立を支援するようにもなった。

1990年代を通して、Dr.Pangはタホマ・クリニックを度々訪れては医師たちのためにハーブ製品の品質について講義してくれた。Dr.Pangの製造方法はこうだ。まず、生物学的作用が最も高い植物成分を同定する。 次に、植物や植物成分がすべて等分になるよう分配する。 そして最後に、分配されたひとつひとつに問題がないかテストするのである。

惜しいことに、Dr.Pangは2005年に交通事故により帰らぬ人となってしまったが、高品質の信頼できるハーブ製品を確実に消費者に届けるという博士が残した遺産は今なお健在だ。そしてそのひとつがCOLD-fXなのである。

COLD-fXはアメリカニンジン(Panax quinquefolius)を抽出して作られる。 主要成分はアメリカニンジンと多糖類で、アメリカニンジンには免疫力を強化し、マクロファージとナチュラルキラー細胞(以下、NK細胞とする)を活性化させてその数を増やす働きがある。


ナノ粒子銀など、病原菌を退治してくれる製品はたくさんあるが、COLD-fXはそれらとはアプローチが異なる。 病原菌を攻撃するのではなく、からだに本来備わっている免疫機能を高めることで病原菌を退治し、感染した細胞を排除するのである。

COLD-fXの動物実験において、マウス脾臓B細胞増殖の増加およびマクロファージが生成放出するインターロイキン1、腫瘍壊死因子、インターロイキン6の増加を確認。 よって、マウス脾臓リンパ球のインターロイキン2とガンマインタフェーロンの生成が促進された。 ヒトの血液培養液におけるインフルエンザウイルス試験においても、COLD-fXはNK細胞を16倍に増加。 インフルエンザ抗原に特異に働きかけるヘルパー細胞(CD4)と抑制細胞(CD8)も増加した。)

COLD-fXの初めての研究試験は、1997年〜1998年と1998年〜1999年にかけて、エドモントン・オイラーズのホッケー選手を対象に行なわれた。 小規模、非盲検の研究試験であったが、結果はじゅうぶん満足のいくものだった。 COLD-fXを摂取した選手の大多数が、風邪およびインフルエンザに罹りにくくなり、罹りはじめの症状が出ても長く続かなかったと報告してきたのである。

免疫反応を調べてみると、COLD-fXを摂取した選手たちは、摂取していない選手たちに比べて顕著な改善があった。その試験から間もなく、イースタンバージニア・メディカルスクールの研究者たちが、インフルエンザ蔓延期における急性呼吸器疾患の予防効果を調査するため、老人ホームや老人介護施設など3つの施設においてCOLD-fXの二重盲検プラセボ対照試験を実施した。

平均年齢81歳〜83歳の男女198人を対象とし(内、90%近くがインフルエンザの予防接種を受けていた)、COLD-fXを200mgもしくはプラセボを1日2回投与した。結果、COLD-fXを投与した集団(以下、COLD-fX群とする)のインフルエンザ発症率は1%以下(97人中1人)だったのに対し、プラセボを投与した集団(以下、プラセボ群とする)の発症率は7%(101人中7人)。 プラセボ群の内2名が非インフルエンザ性の急性呼吸器疾患を発症したのに対し、COLD-fX群での発症はゼロだった。 概して、COLD-fX群のインフルエンザおよび急性呼吸器疾患の発症率は89%減少した。副作用はどちらの集団にも見られなかった。

2005年、COLD-fXの新たな研究結果が『Canadian Medical Association Journal』誌に発表された。 前年に2回以上風邪をひいた18歳〜65歳の323人を対象とし、無作為二重盲検プラセボ対照試験を実施。一方の集団はCOLD-fXのカプセル(200mg)を1日2回摂取、もう一方の集団はプラセボを摂取した。

4カ月間の試験中、2回以上風邪に罹った参加者はCOLD-fX 群では10%であったのに対し、プラセボ群では22.8%だった。 風邪発症者の症状指標スコアは77.5 対112.3でCOLD-fX群が軽く、罹患日数も10.8日対 16.5日と短期化が見られた。
さらに今年のはじめ、『代替補完医療ジャーナル(JACM)』誌がCOLD-fXの効果を証明する2度目の無作為二重盲検プラセボ対照試験の結果を発表した。4ヵ月間のこの調査には、65歳以上の43人が参加した。 参加者は2つの集団に分けられ、COLD-fXのカプセル(200mg)もしくはプラセボを1日2回摂取。30日後、参加者全員がインフルエンザ予防注射を接種した。

調査開始から2カ月間は2つの集団に大差は見られなかったが、その次の2カ月間には急性呼吸器疾患の発症率がCOLD-fX 群の32%に対しプラセボ群では62%と、顕著な減少が見られるようになった。 発症期間もCOLD-fX 群の5.6 日に対しプラセボ群では12.6日と明らかに短期化した。 インフルエンザの発症は両群ともになかった。

4カ月の調査を終えて、研究者たちは次のように報告した。 「免疫適格な年配者がインフルエンザ流行期に先駆けてcold-fXを摂取した場合、相対リスクが48%、呼吸器症状が55%減少する。よってCOLD-fXの常用は、健康な年配者の急性呼吸器疾患を予防する安全かつ自然な治療方法となり得る」

COLD-fXは100パーセント安全だ。 単回投与の急性試験において通常使用量の500倍を投与したが顕著な副作用は見られなかった。 さらに30日間に渡る過量摂取試験では、通常摂取量の25倍量を毎日摂取したが、顕著な副作用は見られなかった。 だからといって自宅でそれを試してみる必要はない。やはり適量をお奨めしたい。

では、適量とはいかほどなのか? 風邪やインフルエンザの予防には1カプセルを1日2回摂取、すでに風邪に罹っている場合には3日間の集中摂取をするよう製造者は奨めている。 集中摂取する場合は1日目に3カプセルを3回、2日目に2カプセルを3回、3日目に1カプセルを3回摂る。

ACE阻害剤の代替にビタミンDを使う  2007/2/7

従来の疫学的な統計では、熱帯の地方の高血圧患者が極地方よりも少なく、高血圧の患者数がすべての人種で赤道より遠くなるにつれて上昇することを長年の間示しています。 栄養療法の世界では、長年これらの理由の背景にはビタミンDがあると考えられています。これを裏付ける研究が2002年のJournal of Clinical Investigation誌で発表され、ビタミンDがどのように血圧を下げる作用を持つのかについて詳しく報告されています。

この研究によると、適切量のビタミンDがなければ人の遺伝子の一部がレニン分子を余分に作り始めます。レニンはアンギオテンシノゲンと呼ばれる分子に分解され更にアンギオテンシンTに分解されます。アンギオテンシンTはアンギオテンシン変換酵素(ACE)によってアンジオテンシンIIに変換されます。このアンギオテンシンIIが高血圧を引き起こすメカニズムは周知のとおりで、現在汎用的に処方されている降血圧剤がACE抑制剤とアンギオテンシンII受容体障害剤(ARBs)である背景がここにあります。

研究によれば、活性型のビタミンDはレニンの生産が不活性になるように遺伝子を制御し、余剰なレニン生産が抑制されることによって、アンギオテンシンTなどのような中間産物が抑えられ、結果として余計なアンジオテンシンIIの生産が抑制され血圧上昇を抑えることができるということです。

また、他の研究では、高ビタミンD血中濃度と血圧の低下には関連があること示し、ビタミンDが血中レニン、アンギオテンシンII、および血圧を減少させたという報告があります。

米国で栄養療法を行う医師の中には高血圧の患者にビタミンDを処方する医師が少なくありませんが、顕著な変化が起きるまでには2-3カ月かかり、ビタミンDが完全に効き始めるには6-8カ月かかると言われています。

一方でビタミンDの過剰摂取による中毒という問題があります。最近の研究では安全なビタミンDの上限を再評価しています。多くの医師が現在、1日当たり10000IUを上限として評価していますが、摂取量以上に患者の血中ビタミンDのモニタリングが重要になり、摂取量は血清レベルでおよその60ng/mlを維持できる量を考慮することが望まれています。

本態性高血圧と診断された患者の中には、インスリン抵抗性または水銀、鉛などの重金属の蓄積が背景にあることが少なくありません。事実、米国の栄養療法医師で、本態性高血圧と診断された患者インスリン抵抗性および爪や毛髪による体内重金属分析を実施する医師は少なくありません。

参考文献

Rostand SG. Ultraviolet light may contribute to geographic and racial blood pressure differences. Hypertension. 1997;30(2 Pt 1):150-156.

Krause R, Buhring M, Hopfenmuller W, Holick MF, Sharma AM. Ultraviolet B and blood pressure. Lancet. 1998;352(9129):709-710.

Pfeifer M, Begerow B, Minne HW, Nachtigall D, Hansen C. Effects of a short-term vitamin D(3) and calcium supplementation on blood pressure and parathyroid hormone levels in elderly women. J Clin Endocrinol Metab. 2001;86(4):1633-1637.

Pan WH, Wang CY, Li LA, Kao LS, Yeh SH. No significant effect of calcium and vitamin D supplementation on blood pressure and calcium metabolism in elderly Chinese. Chin J Physiol. 1993;36(2):85-94.

Scragg R, Khaw KT, Murphy S. Effect of winter oral vitamin D3 supplementation on cardiovascular risk factors in elderly adults. Eur J Clin Nutr. 1995;49(9):640-646.

Vieth R, Chan PC, MacFarlane GD. Efficacy and safety of vitamin D3 intake exceeding the lowest observed adverse effect level. Am J Clin Nutr. 2001;73(2):288-294.

Heaney RP, Davies KM, Chen TC, Holick MF, Barger-Lux MJ. Human serum 25-hydroxycholecalciferol response to extended oral dosing with cholecalciferol. Am J Clin Nutr. 2003;77(1):204-210.

Vitamin D. Natural Medicines Comprehensive Database [Web site]. March 1, 2004. Available at: www.naturaldatabase.com. Accessed March 1, 2004.

Hendler SS, Rorvik DR, eds. PDR for Nutritional Supplements. Montvale: Medical Economics Company, Inc; 2001.

更年期関連症状にBlack CohoshとSt.Johns Wortのコンビネーション投与が効果的!

Uebelhack R, Blohmer JU, Graubaum HJ, et al. Black cohosh and St. Johns wort for climacteric complaints: A randomized trial. Obstet Gynecol 2006;107:24755.
1、方法

Wブラインド、ランダムプラセボ法によって行われた本研究では、45−60歳までの閉経前後の諸症状、特にうつ状態で悩む301名の女性を対象にして行われた。この301名は、閉経前後の諸症状を少なくとも3ヶ月以上かかえ、2ヶ月以上治療を受けていないこと。また、MRS(Menopause Rating Scale)スコアが0.4以上、HAM-D( Hamilton Depression Rating Scale)の総スコアが15から23ポイントであることが条件であった。16週間にわたってBlack cohoshとSt. Johns wortを併用投与し、8週目および16週目におけるMRSおよびHAM-Dの各スコアの変化を観察した。

1日あたり2回、Black cohosh(イソプロパノール抽出Cimicifuga racemosa)とSt. Johns wort(エタノール抽出)を2錠づつ8週間服用させ、その後の9−16週目まではフォローのために1日あたり2回1錠を服用させた。Black cohosh1錠には1mgのトリテルペングリコシドを含むBlack cohoshエキスと、St. Johns wort1錠には0.25mgのヒペリシンを含むSt. Johns wortエキスが配合されていた。


2、結果

16週間の継続してBlack cohoshとSt. Johns wortを併用服用した294名(5名は途中で ドロップアウト)の服用開始前後のMRSおよびHAM-Dの各スコアの改善率を集計したところ、MRSスコアについては8週目で34.8%、16週目では50.0%の改善が認められ、プラセボグループの8週目で21.7%、16週目では19.6%との比較でも有意な差が見られた。

具体的な症状での比較では、顔の紅潮を持つグループでは16週目で53.4%の女性の症状が改善をしており、プラセボグループで顔の紅潮を持つ女性が16週目で25.4%の改善を見たことと比較しても有意な差が見られた。

顔の紅潮をうったえる閉経前後の女性に対しては、しばしば低容量のSSRIを処方することが知られているが、期待するほどの効果に至っていないが、Black cohoshとSt. Johns wortを併用することで有意な改善効果が現われている。
3、使用方法
このように効果のあるBlack cohoshとSt. Johns wortではあるが、これらのハーブを使用するに際しては患者の背景を十分考慮して処方することが重要である。特にSt. Johns wortについては、現在処方されている薬剤との作用関係は抑えておく必要があり、1日あたりの上限は900mgを超えないように低量から段階的に増量することが大切である。

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