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従来の疫学的な統計では、熱帯の地方の高血圧患者が極地方よりも少なく、高血圧の患者数がすべての人種で赤道より遠くなるにつれて上昇することを長年の間示しています。
栄養療法の世界では、長年これらの理由の背景にはビタミンDがあると考えられています。これを裏付ける研究が2002年のJournal
of Clinical Investigation誌で発表され、ビタミンDがどのように血圧を下げる作用を持つのかについて詳しく報告されています。
この研究によると、適切量のビタミンDがなければ人の遺伝子の一部がレニン分子を余分に作り始めます。レニンはアンギオテンシノゲンと呼ばれる分子に分解され更にアンギオテンシンTに分解されます。アンギオテンシンTはアンギオテンシン変換酵素(ACE)によってアンジオテンシンIIに変換されます。このアンギオテンシンIIが高血圧を引き起こすメカニズムは周知のとおりで、現在汎用的に処方されている降血圧剤がACE抑制剤とアンギオテンシンII受容体障害剤(ARBs)である背景がここにあります。
研究によれば、活性型のビタミンDはレニンの生産が不活性になるように遺伝子を制御し、余剰なレニン生産が抑制されることによって、アンギオテンシンTなどのような中間産物が抑えられ、結果として余計なアンジオテンシンIIの生産が抑制され血圧上昇を抑えることができるということです。
また、他の研究では、高ビタミンD血中濃度と血圧の低下には関連があること示し、ビタミンDが血中レニン、アンギオテンシンII、および血圧を減少させたという報告があります。
米国で栄養療法を行う医師の中には高血圧の患者にビタミンDを処方する医師が少なくありませんが、顕著な変化が起きるまでには2-3カ月かかり、ビタミンDが完全に効き始めるには6-8カ月かかると言われています。
一方でビタミンDの過剰摂取による中毒という問題があります。最近の研究では安全なビタミンDの上限を再評価しています。多くの医師が現在、1日当たり10000IUを上限として評価していますが、摂取量以上に患者の血中ビタミンDのモニタリングが重要になり、摂取量は血清レベルでおよその60ng/mlを維持できる量を考慮することが望まれています。
本態性高血圧と診断された患者の中には、インスリン抵抗性または水銀、鉛などの重金属の蓄積が背景にあることが少なくありません。事実、米国の栄養療法医師で、本態性高血圧と診断された患者にインスリン抵抗性および爪や毛髪による体内重金属分析を実施する医師は少なくありません。
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